運動理念である綱領を読み解き運動に邁進を 第65回 全国大会開催

5月23日、都内で「全日本同和会 第65回 全国大会」が開催されました。全国各地から幹部や指導者・会員900名近くが参集、国会議員をはじめ多くの来賓、行政関係者を迎えて開催された大会は、同和問題の完全解決に向けた新たな歴史の1ページを刻みました。
第65回全国大会は、文京区文京シビック大ホールにて行われ、都連からは古賀会長をはじめ、都連役員や各支部員、企業会員、行政担当者ら多くが参集し、大会に臨みました。
石戸俊也茨城県連会長の司会で始まった「全日本同和会 第65回 全国大会」は、荒井正記全国総務委員長(大阪府連会長)が開会の辞で、本日の大会で、運動の要である「活動方針」「重点努力目標」「宣言」が採決され、それに基づき地元に即した運動を展開しなければならないとし、運動に取り組む上で全日本同和会の同和問題の認識等について、以下のように述べました。 第一に、部落差別の本質は生まれによる差別である。第二に、本問題は基本的人権を尊重する民主主義の重要な課題である。第三に、本問題の解決は国の責務であり、同時に国民的課題であるとし、この認識等は全日本同和会の運動理念であるとし、「今一度綱領を読み解き、運動に邁進してゆかなければならない」と、同和問題完全解決へ向け、力強く開会を宣言しました。
続いて荒井正記全国総務委員長を大会運営委員長として、全国各ブロックより10名を運営委員に選出し、別室にて協議の場が持たれました。
次いで、松尾信悟全国会長が挨拶に立ち、未だに結婚や就職問題を中心とする心理的差別は後を絶たず、昨今ではインターネットを悪用した差別が新たな問題となっているとした上で、国は同和問題の解決を図るため、「部落差別の解消の推進に関する法律」を施行し、現在も部落差別が存在するということを明確化するとともに、国及び地方公共団体の責務を明らかにしたが、依然として社会のあらゆる局面において、同和問題をはじめとしてさまざまな人権問題が存在し、これらを解消するには、これまで同和教育で積み上げてきた差別解消の成果を基に、人々の人権尊重の意識を高めることが重要だと訴えました。
次いで、荒井正記大会運営委員長(全国総務委員長)が協議及び動員集計を行った結果を発表、大会成立を宣言しました。
来賓として、三宅伸吾参議院議員より、「差別の無い社会、人権が尊重される日本の社会づくりに向け、御尽力されております皆さまに敬意と感謝を申し上げます。中々無くならない差別、偏見を助長するさまざまな表現がまだあります。ですが、温もりのある社会、そして人権が尊重されることが、本来、日本の誇るべき姿だと思います。今後も微力ながら、偏見・差別の無い社会づくりに邁進して参ります」との祝辞を賜わりました。また、山本大地衆議院議員ら議員の皆さまが来場され、励ましを頂きました。
祝電披露では、坂本哲志衆議院議員をはじめ多くの国会議員や地方議員、都議会議員、そして吉村洋文大阪府知事をはじめ、服部誠太郎福岡県知事など、多くの首長の皆さまより、祝電を賜わりました。
次いで、記念講演へと移り、講演は、「生きることの、もうひとつの意味〜ハンセン病小説『あん』で伝えたかったこと〜」と題して、明治学院大学国際学部教授で、作家・歌手でもあるドリアン助川氏により、一時間に亘り行われました。
午後の部では、議事へと移り、中本正廣全国教育対策委員長(広島県連会長)が議長に、金子哲三全国常任理事・佐野義廣全国常任理事が書記に、古賀恆樹全国常任理事(東京都連会長)・古長明全国常任理事(福島県連会長)が議事録署名人にそれぞれ選出され、議事が進められました。
令和6年度事業活動報告、決算・監査報告、令和7年度活動方針案、事業計画案、予算案、重点努力目標案が村上駿太郎全国副会長兼全国事務局長により発表され、審議の後、それぞれ満場一致にて可決成立しました。
本年度は役員改選が行われ、協議の結果、松尾信悟会長が全国会長に再任されたことが発表され、これを受け松尾全国会長は「今後も全日本同和会の発展、並びに人権問題の早期解決へ向けて努力してゆく」と、就任の決意を述べました。
続いて荒井正記大会運営委員長によって令和7年度宣言案、決議案が発表され、こちらも満場一致で可決成立しました。
終わりに、桑原正則全国副会長より「本日承認された決議に基づき、皆さんが各地にて同和運動に邁進、ご活躍されることを祈念します」と閉会の辞を述べ、第65回全国大会は終了しました。
(第65回全国大会の詳細は、都連発行機関紙「東京あけぼの7月号」に収録されています)

司会 石戸俊也茨城県連会長

開会の辞 荒井正記全国総務委員長

全国会長挨拶 松尾信悟全国会長

議長 中本正廣全国教育対策委員長

監査報告 髙木剛全国監事(写真:右)と土肥孝明全国監事

予算案・活動方針発表 村上駿太郎全国副会長兼全国事務局長

閉会の辞 桑原正則全国副会長

会場となった「文京シビック大ホール」

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