ごあいさつ
全日本同和会
全国会長 松尾信悟
全日本同和会は、幾多の諸先輩方の努力と汗によって、昭和35年5月10日に結成され、今日まで「子らにはさせまい この思い」をスローガンに、親が子を思う悲願に込める人間愛を基調とする運動を強く推進してまいりました。
今日、特にインターネット上では、悪意に満ちた意見や差別を助長する表現など陰湿な差別事象などが多く見られ、その動きは止まる所を知りません。
人は、「生まれてくるところ」を選べない現実の中で、「そこに生まれた」というだけで、いわれのない差別を受けるのです。
同和地区に対する偏見など、早急に解決しなければならない課題は山積しており、私たちは強力に運動を継続してゆかなければなりません。
全日本同和会東京都連合会は、ホームページを開設し、機関紙「東京あけぼの」を発行して同和問題の完全解決に向けた運動に邁進しております。私は、東京都連合会が、部落差別の実態を明らかにし、差別のない明るい社会を築いてゆく運動において大きな力となって欲しいと思っております。
このホームページが、今後の皆さんの啓発と運動推進につながることを心から願い、私のあいさつとします。
平成30年10月10日
東京都連合会会長 藤吉 邦通
全日本同和会東京都連合会の平成29年度を迎えるにあたりまして、本紙面をお借りして全国の同志の皆様、そして、常日頃から熱い支援を送って下さいます各界の皆様に謹んでご挨拶申し上げます。
本年度より、再び東京都連の会長としてその任務を務めさせて頂く事になりました藤吉邦通でございます。
かつて、道半ばにしてバトンを渡した私ですが、再びこうした機会を頂く運びを得られた事は、私にとって果たすべき責任への道が開かれたのだと、心新たに光栄な思いで受け止めています。
本年度、東京都連として臨むべくは、従来、全日本同和会が掲げてきた「子らにはさせまい この思い」の志を提唱しつつ、激動するこの社会にいかに人間差別と向き合う運動団体としてのあるべき姿を都民の前に示せるのか。
この課題を具体的な方針に絞り、行政を初め、企業や教育機関にも協力を依頼し、初心に立ち返って、まさに言葉通り「初めの一歩」から踏み出す新たな年度となる様、謙虚に努力を重ねる所存です。
すでにご存知の通り、特別措置法が終了してより15年を迎えました。終了以来、同和問題への取り組みが徐々に徐々に後退の兆しを見せ始め、研修の成果が薄らいでいく中、反比例する様に日本国内のあちこちにおいて差別事象が数を増してきています。とりわけ、社会的弱者と称される人たちが差別の標的にされ、人権侵害のみならず命までをも脅かされるに至る現実を見聞きする度、この国の人権教育はどうなってしまうのかと、際限なき危機感に襲われるばかりです。
又、国際社会においては、卑劣かつ残忍で深刻な事態が起こっている事実には耐えがたき怒りに身が震えます。
なん人たりとも、おろそかにする社会をつくってはならない・・・として、我々が取り組み歩んできた誇りある歴史が、今日、この様な社会を迎えるなどとは、先人の誰一人も予想だにしなかった事でありましょう。
自身の事情さえ知らずにいた若かりし頃、よく目にし、心に響いた一つの言葉・・・。
「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」を我が会のスローガンに重ねて、東京都連の活動を事務局一丸となって邁進いたします。
皆さまには更なるご支援を心底よりお願い申し上げ、ご挨拶に代えさせて頂きます。
平成29年4月吉日 藤吉 邦通