全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

　5月18日、都内で「全日本同和会　第62回　全国大会」が開催されました。昨年同様コロナウイルス感染対策を施した上で開催された大会では、コロナウイルス感染症に起因する差別や偏見が拡大していることを踏まえ、これらの差別に対しても一人ひとりの意識を変え、運動を展開して行くことを誓いました。


第62回全国大会は、昨年に引き続き中央区銀座ブロッサム・中央会館で行われました。都連からは都連役員や副支部長、企業会員らが参集し、全国大会に臨みました。
　コロナ禍での開催は、昨年同様マスク着用は当然ながら、参加人数を会場収容人数の半分以下にし、検温チェック・手指消毒はもちろん、会場内での飲食を禁止するとともに、舞台前方席の着座禁止、間隔を空けての着座、受付時の混雑緩和措置など、想定出来る感染対策は全て行っての開催となりました。
　石戸俊也茨城県連会長の司会で始まった「全日本同和会　第62回　全国大会」は、荒井正記全国総務委員長が、「全国水平社は今年創立１００周年を迎えた。創立時に宣言された「全国水平社創立宣言」は、人間の尊厳と自由、平等を謳った日本最初の人権宣言と言われている。全日本同和会の運動精神・理論根底には、この水平社創立宣言をはじめ、当会の綱領、同対審答申の精神があり、今日においても息づき継承されている。我々全日本同和会は、この精神・理論をもって今なお根強く残る部落差別の解消を期すという、強い信念・覚悟、そして熱意をもって、国並びに自治体の取り組みを注視し、必要とあれば提言する使命があることを、今一度肝に命じなければならない」と、力強く開会を宣言しました。
　続いて大会運営委員長に山本良治全国副会長を、運営委員に全国各ブロックより10名を選出した後、松尾信悟全国会長が挨拶に立ち、平成28年12月16日に部落差別の解消の推進に関する法律を施行、現在もなお部落差別が存在するということが明記され、各自治体においても条例整備が進められているものの、インターネット上では同和地区や個人が特定できる情報が掲出されているなど、プライバシーを侵害し差別を助長する行為が今なお横行していることに苦言を呈しました。また、コロナウイルス感染症に起因する差別や偏見についても言及、いかなる人権侵害も許されないと訴えました。
　次いで、山本良治大会運営委員長（全国副会長）が大会成立を宣言、コロナ禍ということで来賓の出席を見合わせて頂いたことを受け、多くの祝電が寄せられ、その一部が披露されました。
　基調講演は、「笑いは健康の常備薬」と題して、コント山口君と竹田君のお二人が行いました。
　絶妙な掛け合いコントで会場を笑いの渦に巻き込むトーク。経済の不安定な昨今、純粋に『笑う』ということの大切さを実感しました。お二人は、「笑いとは、面白いから笑うのでは無く、笑うと面白くなる。自分が笑っていると、笑顔を作っていくと、心も明るくなってゆく。口角を上げることが大事。口角を上げて表情筋を動かすだけで、脳に刺激を与え活性化され、生き生きとしていられる」と、笑うことの重要性を説きました。終わりに、「これからも笑顔でいられるように、そしていつまでも健康でストレスの感じないような自分なりの変化の仕方を考えましょう」と結びました。
　基調講演後、議事へと移りました。議事は、藤浦国男全国副会長が議長に、書紀に古賀恒樹全国理事（東京都連）・金子哲三全国常任理事を、議事録署名人に原田達雄全国常任理事・飯塚久夫全国常任理事がそれぞれ選出され、進められました。
　令和３年度事業活動報告、決算・監査報告、令和４年度活動方針案、事業計画案、予算案、重点努力目標案が村上駿太郎全国事務局長により発表され、審議の後、それぞれ満場一致にて可決成立しました。
　続いて山本良治大会運営委員長によって宣言案、決議案が発表され、こちらも満場一致で可決成立しました。
　終わりに、桑原正則全国組織対策委員長より「コロナ禍の中、欧州での紛争問題など世の中が混沌としている時期に、様々な差別が起こります。このような時だからこそ、例年半分の規模ですが、開催しました。第62回全国大会が、会員・同志の皆さま方にとり有意義なものになり、今後の活動の糧になりますよう、祈念します」と閉会の辞が宣言され、第62回全国大会は無事終了しました。