全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

　
　5月30日、都内で「全日本同和会　第63回　全国大会」が開催されました。
昨年同様コロナウイルス感染対策を施した上で開催された大会では、全国各地から会員が参集、同和問題をはじめとするあらゆる差別に毅然とした態度で向かい、より強固な運動を展開してゆくことを誓いました。

　第63回全国大会は、昨年に引き続き中央区銀座ブロッサム・中央会館で行われました。都連からは古賀会長をはじめ都連役員や副支部長、企業会員、行政担当者が参集し、大会に臨みました。
　5月8日より、新型コロナ感染症が２類から５類に移行されたことにより、集会等の実施要項は緩和されましたが、全日本同和会では全国各地から参加すること、また高齢者の出席者もいることなどから、引き続き従来通りのコロナ感染症対策を行うことで、安全に開催し着実に運動を進めてゆくことが、４月の全国常理事・全国理事合同会議にて決定しています。それにより、マスク着用は当然ながら、参加人数を減らす事や、会場内での飲食を禁止するとともに、舞台前方席の着座禁止など、厳重な感染対策を行なっての開催となりました。
　石戸俊也茨城県連会長の司会で始まった「全日本同和会　第63回　全国大会」は、荒井正記全国総務委員長が開会の辞で、「我々は、同和問題はヒューマニズムの問題であり民主主義の課題であるという認識の下、運動に邁進している。運動において理論は付き物であり、理論の無い運動は発展しない。我々の運動も明確な理論を踏まえ実践してこそ、初めて堅実な発展を遂げることが出来る。我々の運動理論は、昭和35年の結成大会で決定した綱領であり、これを正しく理解し柱とすることで、組織運動は発展する。これは、運動の基本であるから、今一度肝に銘じなければならない」と、力強く開会を宣言しました。
　続いて山本良治全国副会長を大会運営委員長に、全国各ブロックより10名を運営委員に選出した後、松尾信悟全国会長が挨拶に立ち、これまでの特別措置法に基づいた諸政策により、生活環境における整備は一定の成果を上げたが、未だ結婚や就職問題を中心とした心理差別が存在する、これらを解消するために、平成28年12月16日に施行された部落差別の解消の推進に関する法律に則り、人権尊重の意識を高めてゆく運動をしなければならないと、訴えました。
　次いで、山本良治大会運営委員長（全国副会長）が協議及び動員集計を行った結果を発表、大会の成立を宣言されました。
　来賓として、武田良太衆議院議員、桜田義孝衆議院議員、野間健衆議院議員による祝辞を賜るとともに、多くの国会議員や行政担当者の方の御臨席を賜わりました。
　祝電披露に続き、記念講演へと移りました。講演は、「人間の価値って何？」と題して、鈴木ひとみ氏により行われました。
　基調講演後、議事へと移り、藤浦国男全国副会長が議長に、金子哲三全国常任理事・佐野義廣全国常任理事が書記に、中村成年全国常任理事（和歌山県連会長）・古賀恆樹全国常任理事（東京都連会長）が議事録署名人にそれぞれ選出され、また本年は役員改選年度であるため、桑原正則全国副会長を改選委員長として、議事が進められました。
　令和４年度事業活動報告、決算・監査報告、令和５年度活動方針案、事業計画案、予算案、重点努力目標案が村上駿太郎全国事務局長により発表され、審議の後、それぞれ満場一致にて可決成立しました。
　次いで、桑原正則改選委員長より、松尾信悟全国会長が再選されたことが報告され、三役についても再選が報告されました。これを受けて、再選された新三役を代表して、松尾信悟全国会長が「再選された執行部・事務局とも、厳しい社会情勢の中ですが、運動の強化、組織の充実に努めて参ります。」 と抱負を述べられました。
　続いて山本良治大会運営委員長によって宣言案、決議案が発表され、こちらも満場一致で可決成立しました。
　終わりに、山本良治大会運営委員長より「同和問題の原点に立ち返り、全日本同和会のスローガンである『子らにはさせまい　この思い』」を胸に、更なる勢いをつけて運動し、同和問題完全解決を目指し、あらゆる差別を許さないという毅然とした態度で、教育・啓発を積極的に推進してゆきましょう」と閉会の辞が宣言され、第63回全国大会は終了しました。
（第63回全国大会の詳細は、都連発行機関紙「東京あけぼの7月号」に収録されています）