全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【全国・関東東北ブロック】活動報告

【全国・関東東北ブロック】活動報告

差別の構造や本質について探求を! 令和5年度 青年部全国研修会 開催される

 


 7月19日、大阪市で「令和5年度 青年部全国研修会」が開催され、全国各地から青年部会員や役員が参集し、研修に臨みました。今大会では、東京都連が関東東北ブロックを代表して意見発表を行い、差別の構造や本質について、日頃研修を通じて学んでいる事を発表しました。


研修会は、開催時間の短縮、参加者数の制限などのコロナウイルス感染症対策を講じながら、大阪市中央区のドーンセンターで開催され、都連からは東青年部長をはじめ25名が参加し、研修に臨みました。
 午前十時、神奈川県連の関裕雅氏の司会で始まった研修会では、高木剛全国青年部副部長が開会の言葉で、「同和問題は、ただ一口に差別する者が差別しないようになれば良いといったような簡単に割り切れる問題ではありません。問題解決には、研修会や実践に学び正しい理論を身に着け、自信を持って取り組む体制を作らなければならない」とし、「部落差別が現存する限り、これ以上人間の尊厳を踏みにじる社会を形成させてはいけない」と力強く訴えました。
 荒井正記大阪府連会長は開催地府連挨拶で、「昭和40年に同和対策審議会答申(同対審答申)が出され、それには「部落差別の解消は、国民的課題であり国の責務であると謳われております。この考えは我々の運動精神でもあり、同和問題解決は国民運動であります。そこに部落と一般の区別があってはなりません。同和問題をはじめ、さまざまな差別を払拭してゆくために、我々は偏狭なイデオロギーではなく、人間愛に支えられたヒューマニズムの思想で、中立公正で穏健な運動を展開してゆくという、全日本同和会の基本理念を遵守し、人間の尊厳と自由、平等を希求する精神を常に持ち続けなければならない」と奮起を促しました。
 全国会長挨拶の中で松尾信悟全国会長は、「同和問題は、人間の尊厳に基づく権利であって、いかなる関係においても尊重されるべきものである」とし、「一人ひとりの同和問題への意識改革を行うためには、国、都道府県自治体が一体となり、政策を推進することが急務である」と、部落差別の解消の推進に関する法律の有効性を説き、そしてどのような状況下でも研修会を開催することの重要性を訴えました。
 関寅明全国青年部長は挨拶で、「青年部は、全日本同和会の中心として運動を盛り上げてゆかなければなりません。青年部の皆さま、一致団結して運動に邁進してゆきましょう」と、青年部研修会の開催意義を訴えました。  基調講演は、大阪人権博物館館長、朝治武氏によって「明治維新と『解放令』」をテーマとしてなされました。
 解放令により、穢多非人身分が廃止されたが、実際には身分制度の意識は解消されず、それについて、研修会資料に掲載されている「全日本同和会のあゆみ」「全日本同和会綱領」を通して、氏の研究とともに詳しく解説されました。
 そして、部落問題における解放令の重要さは、現在の部落解放運動・同和運動の流れに位置づけて理解することが大切である、と結ばれました。
 研修会後半では、代表県連による意見発表が山口県連と東京都連によって行われ、差別事象について県連と行政の関わりや歴史からみる人権問題の経緯など、自身の同和問題に対する思いが発表されました。
 意見発表の後、関寅明全国青年部長により自身の体験や過去の事例を交えて総評が行われました。次いで谷川高廣全国青年部副部長によるスローガンの採択の後、土肥孝明全国青年部副部長の閉会のことばを以て、研修会は終了しました。

開会の言葉 高木 剛 全国青年部副部長

開催地県連挨拶 荒井正記 大阪府連合会会長

全国会長挨拶 松尾信悟 全国会長

全国青年部長挨拶 関 寅明 全国青年部長

スローガン採択 谷川 高廣 全国青年部副部長

閉会の言葉 土肥 孝明 全国青年部副部長

会場となった「大阪ドーンセンター」