全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【全国・関東東北ブロック】活動報告

【全国・関東東北ブロック】活動報告

若い世代への更なる教育・啓発を 令和4年度 幹部研修会が開催される

令和4年度 幹部研修会


 2月16日、千代田区の星陵会館で「全日本同和会 令和4年度 幹部研修会」が開催されました。全国各地から幹部や指導者が馳せ参じ、東京都連からは古賀会長をはじめ20名の役員が参集、研修会に臨みました。
 松本文明前衆議院議員による基調講演では、差別についてのご自身の経験を交え、なぜ差別が無くならないのかという問題や、部落差別を解消するためには若い世代に対する教育と啓発が重要であるということが語られました。

 感染症対策を講じて行われた研修会は午前10時、神奈川県連合会関裕雅氏の司会で開幕しました。
 開会の挨拶で山本良治全国副会長(埼玉県連会長)が、長引く新型コロナ禍により様々な社会生活が停滞していることに対し苦言を呈するとともに、我々が推し進める同和運動についても進展出来ていないことに言及、「各地から運動の停滞や運動への支障についての報告が届いている」とした上で、「同和問題の課題は山積しており、この問題に対する差別や偏見が無くなっておらず、先に制定された『部落差別の解消の推進に関する法律』を各都道府県で活用すべき一歩として、各県に条例として制定する働きかけをするなど、同和問題解決に向けて運動を続けてゆかなければならない」と、研修会開催の意義と運動の更なる活性化を訴えました。
 松尾信悟全国会長は挨拶で、全日本同和会設立の歴史と運動の経緯を述べ、平成28年12月16日に施行された『部落差別の解消の推進に関する法律』の活用について言及すると共に、一人ひとりの活動無くしては同和問題をはじめとする様々な人権問題の解決を図ることは出来ず、私たちは今後も同胞一和の精神をもって運動を継続してゆかなければならないと、今後の更なる運動の強化を訴えました。
 来賓紹介、祝電披露に続き基調講演が行われました。本年度は、松本文明前衆議院議員が、「法成立後の条例について」と題し講演されました。講演の最後には、部落差別からの解放をするために、多くの人たちが汗を流し、血を流し、行政と闘い、差別をする人たちと闘い、これが今日まで数百年の歴史を刻んでいる、今はその先頭に私たちが立たなくてはいけない時代なんだ、このことを認識し、孫の代まで日本の差別の歴史は忘れない、この差別の歴史を逆にひっくり返して、誰も差別されることの無い社会を創るんだ、という覚悟を改めてお願いします、と講演を結ばれました。
 基調講演に続き、意見発表が行われました。
 今年度は、鹿児島県連合会と三重県連合会によって行われ、コロナ禍による活動の様子や地域での差別事象を取り上げ、発表者が感じた事や今後の活動などについて述べられました。
 両県連の意見発表を受けて、藤浦国男全国副会長が、同和問題の本質についての言及を交えた総評を行いました。
 終わりに、荒井正記全国総務委員長(大阪府連会長)が閉会の辞で「全日本同和会の運動精神、理論の根底には、水平社創立宣言をはじめ、当会の綱領、同対審答申の精神がある。その精神が今日においても息衝き、対話と協調を基に融和運動に邁進している。我々全日本同和会幹部は、指導者心得を深く心に刻み、全日本同和会の精神・理論をもって松尾全国会長を中心に、全国組織の力を最大限発揮し、部落差別の解消を期すという強い決意を持ち続けなければならない。本研修会で学ばれたことを地元に持ち帰り、地元での運動に役立てることで、今研修会が成功裏に終わったと言える」と述べ、研修会は閉会しました。(幹部研修会の詳細は、都連発行機関紙「東京 あけぼの」3月号に収録されています)

司会 関 裕雅全国青年部理事

開会の辞 山本良二全国副会長

全国会長挨拶 松尾信悟全国会長

総評 藤浦国男全国副会長

閉会の辞 荒井正紀全国総務委員長

講演をされる松本文明前衆議院議員

松本前衆議院議員による、差別に対してどう対峙するかを力説する基調講演を聞き入る参加者

意見発表者と総評をされる藤浦全国副会長