全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【全国・関東東北ブロック】活動報告

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女性が動けば社会が変わる 令和3年度 女性部全国研修会で東京都連が意見発表



 10月21日、京都市で「令和3年度 女性部全国研修会」が、コロナ感染症対策を講じて開催、全国各地から女性部会員や役員が参集し、部落差別の解消に向けた研修が行われました。
 今年度は東京都連が意見・体験発表を行い、解放運動への想い、女性目線で差別解消に取り組む熱い想いを述べました。

 徹底したコロナウイルス感染症対策を講じながら、研修会は京都市下京区のメルパルク京都で開催され、都連からは藤吉会長・斉藤女性部長はじめ10名が参加し、研修に臨みました。
 午前十時、髙木弘美全国女性部副部長の司会で始まった研修会では、中村幸恵全国女性部長が開会の辞を兼ねた全国女性部長挨拶で、 静岡県熱海市で7月に発生した土石流や、九州各地で起きた豪雨災害など、自然災害によって被害を受けた方々の生活への心配や昨年に引き続いてコロナ差別が横行していることに言及され、あらゆる差別は許すべきではないと訴えました。
 山本康嗣京都府連会長は開催地府連挨拶で、看護師のコロナ差別を一例にとり、職場や子どもの通う保育園での差別事例を紹介、SNS上でのデマ情報による誹謗・中傷が差別の助長につながったとし、正しい知識に基づいた情報であれば差別にはつながらないと、根拠のない情報を発信することの問題を指摘、同和問題も含め、差別を無くすため今まで以上の啓蒙活動をしなくてはならないと訴えました。
 全国会長挨拶の中で松尾信悟全国会長は、差別や暴力に苦しむ女性に触れ、男女平等の理念、雇用機会均等法などの原則があるにもかかわらず、コロナ禍による不況により女性の就職難、配偶者等による暴力や性犯罪など、女性を取り巻く社会環境が脅かされていると訴えました。また、コロナウイルス感染症によって日々医療の最前線で闘っている医療従事者や物流事業者への差別やいじめが社会問題化していることにも言及、同和問題をはじめ、人権を侵害することは許されないと訴えました。
 コロナ禍における安全対策のため、来賓の方々のご臨席を賜ることが叶わぬ中、多数の国会議員の皆様や、各知事の皆様より研修会開催への激励と人権推進活動への期待を込めた多くの祝電を賜りました。
 基調講演は、三重県桑名市の地域指導員、こうのとり桑名代表の水谷光治氏が「子どもと人権」をテーマとしてなされました。
 公立小学校の教員を経て三重県桑名市の地域指導員として、市民の人権や生活相談をされている氏は、次のように話されました。
 人間は生まれた時から「人の権利=人権」を有しており、言葉が話せない赤ちゃんでも「幸せにして欲しい」と本能で訴えるという。昨今では児童虐待やいじめ事象が多く、親子間又は友だち間において、互いの人権が尊重し合えず、人や地域とのつながりが希薄になったことが大きな要因だとした。本来人々が支え合っていればよいが、今は児童虐待防止法などの法律を用いて解決せざるを得ない状況に陥っている。お互いに命を守り支え合い、幸せに生きることが、いかに大事であるかと思うと述べられました。
 最後に、差別を作ったのは人間です、その差別を無くすことが出来るのも人間です、と締め括り、講演を終えられました。
 後半は、意見・体験発表が代表県連である大分県連合会と東京都連合会によって行われた。
 大分県連合会は牧野久美子氏が発表、自身の体験を紹介するとともに、隣保館での勤務において体験されたことを披露。これらは大分県生活環境部人権・同和対策課編が作成した人権啓発冊子・DVD『同じ空の下』に取り上げられたことも報告、「昔部落差別というおかしな差別があったけど、無くなってよかったね」と言える社会が来ることを願うと、結びました。
 東京都連合会は最上谷彩香理事が発表、東京都連に入会後、部落差別についての歴史を学び、「同対審答申」に起因する各施策や、「教科書無償闘争」について、見聞きした情報を整理した上で自身で調べまとめた事を披露、今後も深く学習を積み重ねてゆきたいと、自身の同和問題に対する思いを発表しました。
 意見・体験発表を受けて、斉藤美紀全国女性部副部長により総評が行われました。斉藤副部長は、発表者に対し自身の体験や女性ならではの感性で総評を述べ、知らず知らずに受けた差別に対し、解決に向けて共に前進してゆかなければならないとし、正に私たち女性が全日本同和会のスローガン「子らにはさせまいこの思い」の要にならなければならず、これからも同和問題解決へ向け研鑽して欲しいと、総評を結ばれました。
 次いで松岡久代全国女性部副部長が閉会を宣言、 研修会は終了しました。
(令和3年度 女性部全国研修会の詳細は、都連発行機関紙「東京あけぼの 11月号」に収録されています)

開会の挨拶をする中村幸恵全国女性部長

開催地県連挨拶をする山本康嗣京都府連会長

全国会長挨拶をする松尾信悟全国会長

総評を行う斉藤美紀全国女性部副部長

閉会の辞を行う松岡久代全国女性部副部長

研修会終了後、石戸良江全国女性部副部長(写真:右)と会談する都連女性会員

ソーシャルディスタンスを保った会場も熱気に溢れた