全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【全国・関東東北ブロック】活動報告

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平成30年9月6日「第41回 全日本同和会 九州連合会 研修大会」開催

 平成30年9月6日、佐賀県武雄市の市民文化会館にて、「第41回 全日本同和会 九州連合会 研修大会」が開催されました。
 九州連合会では毎年、各県持ち回りで研修大会を開催しており、本年は佐賀県にて開催され、九州各地より1,170名が参集、研修会に臨みました。
 東京都連からは、藤吉会長、五十嵐会長代行、船渡教育対策委員長が出席しました。

 佐賀県連の服部氏による司会で始まった研修会では、村上九州連合会副会長(全国事務局長)が開会の言葉で、一昨年12月に制定された「部落差別の解消の推進に関する法律」が制定されたことを受け、新たな人権問題に対し差別解消の運動を展開していかなければならないと研修会の重要性を説き、藤浦佐賀県連会長(全国副会長)が開催地県連挨拶で、同和問題は高齢者問題や障がい者問題などの他の人権問題とは違い目に見えない心の差別であり、同和問題と人権問題の違いを正しく理解しなければ問題の本質を見失いかねず、そのために教育・啓発を行い同和問題の起源・本質をしっかりと認識しなければならないと訴えました。全国会長・九州連合会会長挨拶の中で松尾会長は、まず、六月から八月に起きた西日本を襲った豪雨災害に言及、被災された方々を労うと共に一日も早い復旧・復興を願うとしました。また昨今のインターネットによる差別事象などさまざまな問題にたいして毅然とした態度で臨み、そして一昨年制定された部落差別解消推進法においても、今もなお部落差別が存在しているということを国が認め解決しなければならないとしている訳であるから、私たちは同和問題解決へ向け強力に運動を継続してゆかなければならない、と訴えました。

 来賓として、佐賀県知事山口祥義様、佐賀県議会議長石倉秀郷様、佐賀県教育長白水敏光様、佐賀県多久市長横尾俊彦様より、差別事象についての問題意識に満ち、同和問題完全解決に向けての熱意溢れる御祝辞を頂きました。また九州各地から多数の行政関係者や議員の方々の御臨席を賜りました。
 基調講演第一部には、シナリオ作家 丘乃れい様によって『記憶を力に〜部落差別解消推進法を個々に立体化して〜』と題した講演が行われました。丘乃れい様は、東京都連合会が発行している機関紙「東京 あけぼの」に平成30年1月号よりコラム『小さな陽だまり「6つのお話」』の執筆をされています。
 丘乃れい様は、同和問題を取り巻く現状をお話された上で、部落差別解消推進法が制定されたことによって教育・啓発の重要性が一段と高まり、特に子どもにたいして行うさまざまな人権問題に関する教育・啓発の大切さを訴えました。差別すること・されることから生ずる不幸な結果について、好き嫌いに関係なく他者が同じ社会に存在することを認められる心を持つことの大切さについて、そしてそれを教育することの大切さについて、力強い御意見を述べられました。また御自身が執筆されている絵本とそれを読んだ子どもを例にあげ、子どもにとって情操教育がいかに大切かということについてお話されました。
 午後の部に入り基調講演の第二部では、揚琴(ようきん)〈中国の伝統打楽器〉の演奏が、公益財団法人孔子の里揚琴演奏家である趙勇氏により、演奏されました。星影のワルツや五木の子守歌など、同和問題や九州の土地にちなんだ曲が披露され、見事な演奏で場内を湧かしました。

 基調講演後、代表県連による意見・体験発表が行われ、今年度は鹿児島県連と佐賀県連の2県連によって行われました。それぞれ地域での活動や体験されたことを、県連の代表として発表されました。
 意見発表を受けて、広岡九州連合会副会長(大分県連会長)によって総評が行われました。次いで山下九州連合会副会長(熊本県連会長)による閉会の言葉、前田九州連合会副会長(鹿児島県連会長)による万歳三唱をもって、研修大会は終了しました。

司会 服部佐賀県連事務局長

開会の言葉 村上九州連合会副会長

開催地県連会長挨拶 藤浦佐賀県連会長

全国会長挨拶  松尾九州連合会会長/全国会長

基調講演 丘乃れい先生

会場となった武雄市文化会館