平成29年9月7日 全日本同和会「第40回 九州連合会 人権同和問題研修大会」開催
平成29年9月7日、長崎県諫早市の諫早文化会館にて、「第40回 九州連合会 人権同和問題研修大会」が開催されました。
九州連合会では毎年、各県持ち回りで開催しており、本年は長崎県にて開催され、九州各地より約1,100名が参集、研修会に臨みました。
東京都連からは、藤吉会長の名代として五十嵐副会長と、船渡理事が出席しました。
長崎県連の高沢さとし氏による司会で始まった研修会では、村上九州連合会副会長が開会の言葉で、昨年12月に制定された部落差別の解消の推進に関する法律の重要性を説き、大石長崎県連会長が開催地県連挨拶で、本研修大会が長崎県で開催されることを歓迎し、精一杯努めて参りますと宣言しました。全国会長・九州連合会会長挨拶の中で松尾会長は、七月に起きた九州北部豪雨に言及、被災された方々を労うと共に一日も早い復興・復旧を願うとしました。また昨今のインターネットによる差別事象についても触れ、差別を助長する書き込みが後を絶えないことや戦前の全国部落調査の出版が計画をされていることなどを例にあげ、昨年制定された部落差別解消推進法を、今後どのように運動に取り込み政策に結びつけていくべきかということを念頭に、同和問題完全解決に向けた最大の努力をしていかなければならない、と訴えました。
来賓として、長崎県副知事濱本磨毅穂様、長崎県議会副議長徳永達也様、長崎県教育長池松誠二様、古賀友一郎参議院議員様よりご祝辞を頂き、多数の行政関係者や議員の方々、また全日本同和会本部役員や全国都府県連会長の出席を賜りました。 基調講演には、山口県人権啓発センター事務局長 川口泰司様によって『「部落差別解消推進法」の意義と背景〜インターネットと差別〜』、『「部落差別解消推進法」の具体化に向けて〜何を、どう取り組むのか?〜』の2テーマで、午前と午後の2回に分けて講演が行われました。部落差別に対する問題点や取り組みをプロジェクターを用いて解説、特にインターネット対策に対しては行政が出来ること、企業が出来ること、個人が出来ることなどの事例を紹介されました。川口泰司先生の熱い語りに感銘を受け、有意義な講演になりました。
基調講演後、代表県連による意見・体験発表が行われ、今年度は熊本県連と長崎県連の2県連によって行われました。熊本県連は、部落のある村と部落の無い村が合併して出来たが故に、地区住民の方々の部落差別問題の捉え方に温度差があるため、地区巡回研修会や講演会を実施していることなどを発表しました。長崎県連は、昨年制定された「部落差別の解消の推進に関する法律」を踏まえ、県連の活動方向や姿勢を表明。また、かつて迫害されたキリシタン弾圧を例に挙げながら部落差別が弾圧されなくなるように、今後も行政と調整をとっていくと発表しました。
意見発表を受けて、藤浦全国副会長によって総評が行われました。次いで山下熊本県連会長による閉会の言葉、前田鹿児島県連会長による万歳三唱をもって、研修大会は終了しました。
開会の言葉 村上九州連合会副会長
開催県連会長挨拶 大石長崎県連会長
全国会長挨拶 松尾全国会長