全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【東京都連合会】活動報告

【東京都連合会】活動報告

藤吉 会長 年頭所感

年頭のご挨拶

 明けましておめでとうございます。
 新春の令和四年を迎えて年頭にあたり、皆々様には健やかに新春を迎えておられます事を、心よりお喜び申し上げます。と共に、旧年中にはひとかたならぬご鞭撻を賜りました事、深く感謝申し上げます。
 さてここ数年、初春の清々しい朝に一年の計を思う時、過ぎた一年の反省から課題を見い出す事が多くなりました。この二年の間、コロナ禍という未曾有の事態に見舞われ、人が生きるあらゆる場面で困難・困窮を余儀なくさせた未知なるウイルスは、世界中を震撼させ混乱に陥れました。その間、私達は身を守る基本的な方法に終始するしか無かったのですが、世界の英知はワクチン開発に全身全霊を傾け、遂に終息の道を開いてくれました。恐怖から一転して、希望の幕が開けた新年へとなりました。今、私の心は人類の英知が成しとげた偉業に感動を隠し得ません。
 COVID-19で亡くなった人は世界で530万人(推定)、日本では18,379人(12/7現在)が理不尽に命を奪われました。ワクチン接種の急速な広がりが感染予防に一定の歯止めをかけました。しかし、医療現場では変わらぬ闘いが続いていることを思う時、「弱者に寄り添って生きる」を実践している医療社会への感謝の念が流れてきます。振り返って思えば、ここまでの間に私達は貴重な学びを多く経験した事に気がつきます。
 何事もなく終わった昨日が今日に続く幸せ。友と談笑できた豊かな時間。自由に行動できる事の有難さ。等々ありふれた日常の一つ一つに、どれ程幸せが凝縮されていたかを原点にできた人は多いのではないかと思います。
 しかしその一方で、ソーシャルディスタンスは感染予防に絶対必要な距離でしたが、同時に絆やふれあいを容認の外に追いやりました。私達の解放運動だけを考えてみても、仲間との意思疎通の機会は当然減少し、結果、集約されるべき内容が十分な議論を得られないまま宙に浮く形になったり等と、運動そのものを停滞させる事にもなりました。ですが、この遅れを負と考えずむしろ正として今後東京都連の運動の在り方を考える事ができた貴重な時間だったと考え、前向きに捉えたいと思っています。さらにもう一つ、学習成果として書き留めたい事例があります。それは、東京五輪の開催でした。
 一年の延期を猶予されたものの、コロナ禍の脅威は一向に衰えをみせず、間近まで賛否両論が渦巻く苦しい状況でありました。実行と中止、いずれの選択にも至大なリスクを有するこの進退両難の事態を前に、我々主催国日本は開催を決意し実行しました。結果は、参加国及び出場選手達からの熱い感謝が溢れた閉会式で終了したことは、記憶に新しく残っています。
 危惧された感染拡大も抑えられたままに。
 どんな困難な中にありながらも人は希望を持って前に進んで行きさえすれば、行きつく先に幸運の女神は微笑んで待っている。|この言い尽くされた言葉が実感としてこの時ほど大きく胸に去来し、つい怯みがちな私に勇風を吹き込んでくれた気がしました。世界一のスケールで開催される五輪。僅かな危機要素も許されない中にあって、これ程不安を抱えながら開催を決行したオリンピック・パラリンピックは東京が初めての事でしょう。この勇断を導いたのは、日本国の底力や国民への信頼であったと私には思えます。この貴重な学びを踏まえ、我が東京都連も組織及び支えて下さる会員の皆様の信頼に応えるべく、停滞した事業への再開に老骨の一歩を踏み出したく思います。
 本年も何卒変わらぬご支援を賜ります様、心よりお願い申し上げます。結びに、皆様にとって良き一年でありますようにと祈念を込めて、新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

 令和四年一月 吉日

 全日本同和会東京都連合会 会長