全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

【東京都連合会】活動報告

【東京都連合会】活動報告

藤吉 会長 年頭所感

年頭のご挨拶

 新しき年、2021年の幕が明けました。
 皆々様には健やかな新年をお迎えの事とお慶び申し上げます。
 さて本年、深く私の胸に巡るのは、只々平穏な日々を迎えられる一年であって欲しいとの強い願いであります。
 いつもなら、新年にいだく抱負であり、又、反省から得る課題への決意を表明するべきなのですが、この様な平易な想いでご挨拶申し上げるのは80余年の人生で初めての事であります。

 振り返る迄もなく、2020年は我が国のみならず世界が誰一人として予想だにしなかった大異変に見舞われた年でありました。2019年12月に中国武漢市で発生した未知なるウィルスは、この時点では対岸の火事的現象にしか過ぎなかったのが、そのわずか二ヶ月後に横浜へ帰港したクルーズ船の乗客から感染が判明すると事態は一変し、新型コロナウィルス感染の恐怖が一気に身近なものになりました。
 その勢いは、第一波・第二波・第三波と未曾有の感染力で今も日本及び世界を脅かし続けています。
 「三密」「ソーシャルディスタンス」なる耳慣れない言葉も普段の言葉になり、と同時に新しい「差別」が生まれ、感染者とおぼしき人や医療に従事する人たちへの露骨な蔑視や排除が横行している事実が伝えられました。言語道断であります。
 感染したくて感染した人は一人もいないし、感染に危険を押して最前線で医療に臨む医師や看護師達へは感謝でこそ讃えるのが人であるはずです。これまでの人権尊重教育が真価を発揮するまでには、未だ多くの時間が必要とする事を見せつけられました。いつの世に於いても「差別」は形を変えて横行します。
 これは悲しい現実です。ですが、我々が歩みし道を思えば、「差別は」される側はもとより、する側にも決して「幸せ」をもたらさない事を解放運動が明確に示しておりますし、又、克服できないウィルスも無いと歴史も証明しています。
 問題はたゆまぬ努力と克服への信念を持ち続ける事の一言に尽きる、のではないでしょうか。ここを我が運動への堤言として捉えながら、いわれ無き差別と偏見の中を歩んで来し者として、コロナ禍にあって最前線で闘う人達に惜しみないエールと敬意を払いたし、その不屈なる姿勢にかつて困難を闘い抜いた先輩達の姿を重ねながら、この一年は共に闘い抜く(非感染への)覚悟の年と位置づけねばと強く思います。

 新しき年の初めに不似合いな挨拶となりましたお詫びと共に、一日も早いコロナ収束と人々が平穏な日常に戻って暮らせる年となります様にと、それだけが本年への希望であり目標と掲げる私の勝手をお許し頂き、この一年を乗り切りたいと思う次第です。
 皆様方におかれましても、これまで以上に注意を重ねられて健やかな一年を過ごされます事を祈念致しまして、新年のご挨拶に代えさせて頂きます。

 2021年1月吉日

 全日本同和会東京都連合会 会長