全日本同和会は、同和問題の早期完全解決に取り組む団体です。

活動方針

活動方針

平成29年度 全日本同和会 活動方針

 全日本同和会は昭和35年の結成以来、一貫して同和問題完全解決のため、綱領、規約、規則を厳守し、広く国民の理解を得、同和運動を展開してきた。

 昭和35年11月、政府の諮問機関の「同和対策審議会」「同和対策協議会」に、全日本同和会初代会長の故柳井政雄氏、顧問故井戸内正氏、昭和53年には名誉会長故松尾正信氏を委員として送り出し、同和対策の推進に貢献した。

 昭和40年、「同和問題は人類普遍の原理である人間の自由と平等に関する問題であり、日本国憲法によって保障された基本的人権にかかわる課題である。これを未解決に放置することは断じて許されないことであり、その早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」と同和対策審議会は答申した。国はこの答申に則って昭和44年、ようやく「同和対策特別措置法」を制定し、以来今日まで6度の立法処置がとられ、四半世紀を超え、「特別対策措置法」に基づく施策の推進は、同和地区対象者の幾世代にもわたる悲願であった部落差別の解消を進め、成果をもたらした。

 国は同和問題においてー定の成果が得られたとし、「特別対策措置法」を終了させ、平成14年3月31日をもって、全ての人権問題の中に同和問題を組み入れ、教育啓発を行うー般対策ヘと移行した。

 しかしながら、教育、啓発、就労や産業等の非物的面において、なお多くの課題を残し、依然として差別観念は根強く、結婚や就職差別をはじめ悪質な差別事象が後を絶たない現状である。

 近年では、インターネツトの匿名性を悪用した特定の個人を誹謗中傷する事案、部落地名総監復刻の編集、販売事案など利便性を悪用し、差別を助長する表現や人権を侵害する事例が増加している。

 また、特定の人種や民族、宗教などの少数者に対する排外主義がエスカレートし、全国各地でヘイトスピーチが繰り返し行われるなど、新たな差別事象が発生しており、社会生活における差別は依然として存在している。同和地区だけでなく、人権問題に対して解決しなければならない課題はまだまだ山積している。

 21世紀は人権の世紀と言われている。人権の尊重が平和の基礎であるという共通認識の下、人権が尊重される社会の確立に向け様々な取り組みが進められてきたにも関わらず、社会生活のあらゆる局面で、同和問題をはじめとした人権問題が存在している。

 これらの差別意識の解消を推進するには、これまでの同和教育や啓発教育で積み上げてきた成果と反省にたって、全ての人の人権を尊重し人権教育、人権啓発を再構築していかなければならない。

 全日本同和会は、結成以来「対話と協調」により国民の理解と合意を得、今日まで「子らにはさせまい この思い」をスローガンに、親が子を思う悲願に込める人間愛を基調とする運動を推進してきた。同和問題の抱える歴史的な束縛を解決せずして、人権教育·人権啓発の成果は期待できるものではない。また、同和問題の解決なしに、日本の人権問題の解決はない。同和問題の解決は全ての人権問題の解決につながるのである。

 全日本同和会は、行政、学校、企業、地域社会など、様々なところで人権や同和問題に関する啓発、研修を毎年実施し、今日に至っている。同和問題についてより深い考察と差別解消ヘのー層の実践力を養い、今一度原点に立ち返り同和問題の認識を深める事が肝要である。

 同和問題とは、中世の終わり(戦国時代)から近世(江戸時代)のはじめにかけて、政治的につくられた身分制度に基づく差別政策である。これが今日まで影響を与え、同和地区出身の人々が社会的な差別を受けるという、基本的人権に関わる重大な社会問題を引き起こしている。そうした封建的身分差別に根ざした同和問題と、自由社会に根ざした人権問題は根本的に本質を異にするものである。同和問題の解決は因習からくる偏見の解消であり、身分差別の解消である。

 国はこのような現存する社会問題を受けて、人権を擁護する法案を立案することを推進してきたが、三度の衆議院解散のため廃案となった。平成28年2月、自由民主党二階俊博幹事長(当時総務会長)の後押しの下、自由民主党内に部落差別に関する特命委員会が立ち上げられ、平沢勝栄代議士が委員長に就任、小委員会の委員長に山口壯代議士が就任した。

 平成28年4月、法務省、各種団体、有識者からヒヤリング及び意見交換を行った。全日本同和会からは松尾信悟全国会長、他執行部役員数名が参加し、平沢委員長、山口委員長と意見交換を行った。

 平成28年5月、公明党との与党協議の後、法案に対し民進党、日本維新の会の了承を得、議員立法として国会に掲出することができた。継続審議を経た後、平成28年11月16日、衆議院法務委員会において可決。全日本同和会からは執行部役員数名が各種団体と共に法務委員会に傍聴、出席をした。平成28年11月17日、衆議院本会議にて可決、同12月8日に参議院法務委員会において可決、同12月9日に参議院本会議において、新法「部落差別解消の推進に関する法律」として成立した。

 この度の新法成立に、自由民主党の国会議員の方々には全日本同和会会員の悲願であった人権尊重の法律制定にご尽力いただき、心から感謝申し上げる次第である。

 全日本同和会は自由民主党との強固なる信頼を得る友好団体として、自由民主党党員の拡大に、全国都道府県連会員がー丸となって、平成28年8月以降勧誘努力を行い、7,306名の入党を達成した。今後とも自由民主党に対し、友好団体として支援活動の推進を行う所存である。

 われわれ全日本同和会は、同和問題の根絶と人間固有の尊厳に由来する人権尊重の意識の昂揚を期する。組織創立の原点に立ち返り、襟を正して現実を直視し、会員一人ひとりが自己の役割と使命を深く自覚する。指導者は常に人格の錬成に努め、真に国民の理解と信頼を得る運動団体として、松尾信悟全国会長の下、組織の結束並びに拡充を図り、倫理に基づく運動を強固に展開し初志貫徹を期する。

 われわれは全国各地において、同和行政、差別の実態、対策事業の進捗状況等克服すべき課題を的確に掌握し、実態に即応した運動を創造する。広く国民の理解と協力を得るため、特につぎに掲げる事項の推進充実を図り、強力な要求運動を展開する。

具体的には

1.人権問題を学習する場合、それぞれがもつ固有の問題課題に合わせて、同  和問題の早期完全解決を内容とする啓発·教育の推進を求める。

1.経済基盤の確立には活発なる就労対策、中小企業、零細経営者の救済を求める。

1.行政機関の主体性の確立と中立公正な施策の推進を求める。

1.同和問題の根絶を期するため、優れた資質をもった指導者の養成と確保をはかる。

 以上の通り、活動の方針を定め、同和問題完全解決を目標に活動を展開する。